【小学生ジュニアテニス】年間にかかる費用はいくら?内訳と節約のコツ

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はじめに:お子様の「テニスをやりたい!」を全力で応援したい親御さんへ

「パパ、ママ、テニスを本格的にやってみたい!」 お子様の目がキラキラと輝き、新しい夢を見つけた瞬間は、親としてこの上なく嬉しく、誇らしい気持ちになるものです。しかし、その喜びと同時に、テニス経験者であってもそうでなくても、一つの大きな不安が頭をよぎりませんか?

「……で、実際のところテニスっていくらかかるの?」

世間では「テニスはお金持ちのスポーツ」というイメージが根強くあります。ネットで少し調べれば、「遠征費で家が一軒建つ」「年間数百万円は当たり前」といった、恐ろしい書き込みを目にすることもあるでしょう。そんな情報を目にすると、お子様の情熱を応援したい気持ちと、家計を守らなければならない現実との間で、板挟みになってしまうのも無理はありません。

実は、ジュニアテニスの費用には「明確な階段」が存在します。 最初から数百万円かかるわけではありません。しかし、お子様が上達し、試合に勝ち、さらに高いレベルを目指そうとした瞬間に、それまでとは全く別次元の費用が発生し始めるのがテニスの特徴でもあります。多くの親御さんが陥る落とし穴は、この「レベルアップに伴う費用の跳ね上がり」を予測できず、後から「こんなはずじゃなかった……」と慌ててしまうことです。

この記事では、そんな親御さんのモヤモヤを解消するために、2025年現在のジュニアテニス界のリアルな金銭事情を徹底的に洗い出しました。

  • 「スクールの月謝以外に、一体何にお金が消えていくのか?」
  • 「初心者から全国大会レベルまで、具体的にいくら用意しておけばいいのか?」
  • 「家計を破綻させずに、子供に最高の環境を与えてあげる方法はあるのか?」

これらについて、道具代、レッスン料、そして最も家計を圧迫する遠征費まで、項目ごとに詳しく解説します。

ジュニアテニスは、親子で歩む長い旅のようなものです。その旅を途中で断念しないためにも、まずは「お金の地図」を手に入れましょう。この記事が、お子様の夢を賢く、そして力強くサポートするための指針となれば幸いです。

【初期費用】テニスを始めるための「三種の神器」

ジュニアテニスの世界において「3種の神器」と呼ばれるラケット・シューズ・バッグ。これらは単なる「道具」ではなく、お子様がコートという戦場で戦うための「武器」「防具」「補給基地」です。

全国大会を目指すレベルになると、これらへのこだわりと投資額は初心者の頃とは比較にならないほど膨れ上がります。なぜそれほどまでにお金がかかるのか、親御さんが納得して投資できるよう、それぞれの項目を徹底解説します。

1. 【ラケット】勝敗を左右する「精密な武器」

初心者のうちは「振りやすいもの」で十分ですが、全国を目指す段階では「全く同じ感覚で打てる予備」を含めた戦略的な揃え方が必要になります。

① ジュニア用から大人用への移行期が最大の山場

ジュニアラケットは身長に合わせて「19・21・23・25・26インチ」と細かく分かれています。

成長に伴う買い替え: 体が大きくなるにつれ、短いラケットではパワー負けするため、1〜2年ごとに買い替えが発生します。
黄金の26インチ時代: 小学校高学年で使う「26インチ」は、カーボン製の本格モデルになると1本2万円を超えます。
大人用(27インチ)への到達: 中学生前後で大人用を使うようになると、1本3万円〜3.5万円の世界に突入します。

② なぜ「同じラケットを3本以上」持つのか?

全国レベルのジュニアに「1本だけ」という選択肢はありません。

  • ガット切れへの備え: 激しいスピンをかける選手は、試合中にガットが切れるのが当たり前です。その際、感覚が違うラケットに持ち替えると、その瞬間にミスが増え、負けに直結します。
  • 「個体差」の調整費用: 驚くべきことに、同じモデルのラケットでも製造過程で数グラムの重さやバランスのズレがあります。プロやトップジュニアは、専門店で「チューンナップ」を依頼し、すべてのラケットをミリ単位・グラム単位で同一に揃えます。これに1本あたり5,000円前後の工賃がかかります。

③ 「へたり」による定期的な全交換

ラケットはカーボン(炭素繊維)でできています。何万発もボールを打つと、見た目は綺麗でも内部の繊維が劣化し、弾力がなくなります(これを「へたり」と呼びます)。

  • 買い替えサイクル: 全国トップレベルなら半年〜1年。1回の買い替えで「3本同時購入」するため、一度に10万円以上の出費となるのが、ガチ勢のリアルです。

2. 【シューズ】怪我を防ぎ、勝利を掴む「命の土台」

テニスは「足のスポーツ」と言われます。シューズは最も消耗が激しく、かつ最もお金を惜しんでいけない「防具」です。

① コートサーフェスごとの専用設計

日本のジュニア大会は「オムニコート(砂入り人工芝)」が主流ですが、全国大会や海外遠征では「ハードコート」や「クレーコート(土)」も登場します。

オムニ用: 砂で滑らないよう、靴底にツブツブの突起があります。
オールコート(ハード)用: 摩擦に強いゴムを使用し、衝撃吸収性が高められています。
揃えるコスト: 練習環境と試合環境が異なる場合、常に2足以上の異なるタイプのシューズを使い分ける必要があります。

② 凄まじい「摩耗」のスピード

初心者のシューズはサイズアウト(成長)で買い替えますが、選手のシューズは「ソール(靴底)が削れてなくなる」ことで買い替えます。

  • ハード練習の代償: 毎日2〜3時間のハードなフットワークを行うと、特に親指の付け根あたりの溝が1ヶ月ほどで消えてツルツルになります。
  • 怪我のリスク: 溝がないシューズで無理に踏ん張ると、足首の捻挫や膝の故障に繋がります。ジュニア期の怪我は一生の後悔になりかねないため、親は「月1足の買い替え」を覚悟する必要があります。

③ 高機能インソールの追加投資

全国レベルでは、備え付けの中敷き(インソール)を捨て、1万円近くする矯正用インソールを挿入する選手も多いです。これにより、激しい動きの中での安定感を高め、成長期の足裏への負担を軽減します。


3. 【バッグ】大切な武器を守る「移動式の司令塔」

単なる「荷物入れ」ではありません。ラケットを保護し、過酷な遠征に耐えるための機能が詰まっています。

① 「ラケットバッグ」はなぜあんなにデカいのか?

ジュニアが背負う巨大なバッグ(通称:ラケバ)には、理由があります。

  • 6本〜12本入りの選択: ラケット3〜4本に加え、着替え2セット、タオル、予備のシューズ、飲み物(2リットル以上)、軽食、ケア用品(アイシング等)をすべて入れると、このサイズが必要になります。
  • サーモガード機能: 高価なバッグには、内部に断熱材(銀色のシート)が貼ってあります。これは、ガットが熱で伸びてしまうのを防ぐためです。炎天下のコートサイドに置くため、この機能がないとせっかく張ったガットが1日でダメになります。

② 遠征に耐えうる耐久性

全国を飛び回るようになると、バッグは飛行機や新幹線の預け荷物として手荒に扱われます。

  • コスト: 1.5万円〜2.5万円程度の頑丈なプロ仕様モデルが選ばれます。
  • デザインの重要性: ウェアやラケットと同じメーカーで揃えることが、ジュニアにとっての「戦闘服」のような心理的効果(モチベーションアップ)を生みます。

ステージ別:3種の神器にかかる費用まとめ

項目ステージ1(初心者)ステージ2(県大会)ステージ3(全国・ガチ)
ラケット1本:約1.5万円2本:約4万円3〜5本:約15万円〜
シューズ年2足:約1.2万円年4足:約4万円年10足以上:約15万円
バッグリュック:約0.6万円6本入り:約1.2万円12本入り:約2.5万円
合計(概算)約3.3万円約9.2万円約32.5万円〜

3種の神器への投資は「環境」を買うこと

ジュニアテニスにおいて、これら3項目にお金がかかるのは、お子様が「より速く、より強く、より安全に」プレーするために必要な環境を整えるためです。

特に全国を目指すのであれば、「ラケットが1本しかないからガットが切れたら終わり」「シューズが滑るから全力で踏み込めない」という道具による制限をなくしてあげることが、親にできる最大のサポートの一つです。


【レッスン代】月々の固定費

ジュニアテニスを続ける上で、家計に最も「じわじわ」と、かつ確実に影響を与えるのが毎月のレッスン代(月謝)です。

全国を目指す道を選ぶということは、単なる習い事の月謝を払うのではなく、お子様というアスリートの「育成環境」と「コーチの専門知識」をサブスクリプション(定額購入)することに他なりません。なぜこれほどまでに金額が膨らむのか、その内訳と実態を深掘りして解説します。

1. 一般ジュニアクラス(週1〜2回):まずは「楽しさ」への投資

【月額相場:10,000円 〜 20,000円】

テニスを始めたばかり、あるいは週に数回楽しく体を動かしたい層向けのクラスです。

  • 費用の内訳: 1回60分〜90分のレッスン料。コーチ1人に対して生徒が8人〜12人程度という構成が一般的です。
  • インドアの付加価値: 最近のスクールはインドア(屋内)が多く、日焼けや雨天中止の心配がありません。その分、屋外コートのスクールに比べて月謝は2,000円〜4,000円ほど高めに設定されています。
  • 親がチェックすべき点: 「振替制度」の柔軟性です。急な体調不良や学校行事で休んだ際、無料で他曜日に振り替えられるかどうかで、1回あたりの実質単価が変わってきます。

2. 選手・育成クラス(週4〜6回):全国への切符を買う投資

【月額相場:40,000円 〜 80,000円】

県大会上位、そして全国大会を目指す段階になると、週1回の練習では全く足りません。このレベルでは「通い放題」や「週5回コース」が標準となります。

① 圧倒的な「練習時間」の確保

選手クラスでは、平日は放課後から夜(例:17時〜21時)、週末は半日〜1日中コートにいます。

  • 時間単価の考え方: 月額8万円と聞くと高く感じますが、月に100時間練習しているとすれば、1時間あたり800円。実は一般クラスよりも時間単価は安くなる逆転現象が起きます。
  • 環境の質: 全国レベルの選手が集まるアカデミーでは、質の高い練習相手(スパーリングパートナー)が常にいる環境にお金を払うという意味合いが強くなります。

② 指導者のレベルと「コーチ代」

全国常連のクラブでは、元プロやナショナルチームに関わった実績のあるトップコーチが指導にあたります。

  • 指導の密度: 1コートに少人数(4人程度)で入り、戦術やフィジカル強化を徹底します。この「人件費の集中」が月謝を押し上げる最大の要因です。

3. プライベートレッスン:弱点を克服する「特効薬」への投資

【1回(1時間)相場:8,000円 〜 25,000円】

集団練習だけでは解決できない「フォームの癖」や「特定の苦手ショット」を修正するために、多くのジュニア選手が取り入れています。

  • 費用の構造:
    • コーチ謝礼: 5,000円 〜 15,000円(コーチのランクにより変動)
    • コート使用料: 1,000円 〜 4,000円(スクール外の公営・民間コートを借りる場合)
    • コーチの交通費: 実費
  • 利用の現実: 全国を目指す家庭では、週に1回はプライベートを入れるケースが多いです。これだけで月謝とは別に月4万〜8万円が上乗せされます。
  • 親の視点: 闇雲に受けるのではなく、「今月はサーブを徹底的に直す」といった明確な目的を持って、期間限定で取り入れるのが賢い利用法です。

4. 月謝以外にかかる「見えない固定費」

「月謝さえ払えば安心」と思っていた親御さんが驚くのが、以下の追加費用です。

① 施設維持費・冷暖房費(月500円 〜 2,000円)

特にインドアスクールでは、照明代や空調代として月謝に加算されることが一般的です。

② アカデミー入会金・年会費(年5,000円 〜 20,000円)

年度更新のタイミングや入会時に発生します。家族割引や紹介キャンペーンを活用できる場合があります。

③ 遠征積立金・チームウェア代

選手クラスになると、お揃いのジャージやユニフォーム(1セット2万〜3万円)の購入が義務付けられたり、遠征に備えて月々数千円をクラブに積み立てたりすることもあります。


5. ステージ別の「月間」固定費シミュレーション

項目ステージ1(週1)ステージ2(週4)ステージ3(全国・毎日)
基本月謝12,000円45,000円70,000円
プライベートなし15,000円(月1回)60,000円(月4回)
諸経費・維持費1,000円2,000円5,000円
送迎ガソリン代3,000円15,000円25,000円
合計(月額)約1.6万円約7.7万円約16万円

レッスン代は「時間と可能性」の購入

全国を目指すジュニアテニスのレッスン代が「月10万円」を超えてくるのは、決して珍しいことではありません。それは、お子様の「黄金の成長期」という限られた時間を、最も効率的に、最も高いレベルで過ごさせてあげるための対価です。

親御さんにできる最も重要なことは、「そのレッスンの対価に見合う成長が、今のお子様にあるか?」を定期的に見極めることです。高額な月謝が「安心料」になっていないか、お子様の情熱と照らし合わせながら、最適な投資バランスを見つけていきましょう。


【メンテナンス】道具の「維持費」が意外と高い

テニスが他のスポーツと違うのは、「道具を買い揃えて終わりではない」という点です。

① ストリング(ガット)の張り替え(1回 3,000円〜6,000円)

ラケットに張ってある網(ガット)は、打つたびに伸び、劣化します。

  • 頻度: 初心者:3ヶ月に1回(切れていなくても弾力がなくなります)。
         選手:2週間〜1ヶ月に1回、あるいは練習中に切れます。
  • 計算: 月1回張り替えると、年間で約5万円の出費になります。

① グリップテープ(年 2〜4万円)

手に触れる唯一の接点であるグリップテープは、汗や摩擦で滑りやすくなります。

コスト: 1本300円ですが、3本入りのパックを月3〜4個消費し続けることになります

交換頻度: 選手レベルなら3日〜1週間に1回。

私が愛用している「ボウブランド」のグリップです。
非常に滑りにくく、手がカサカサしている人はかなり握りやすくおすすめです。この商品に出会ってから、ずっと使用しており、子供も使っています。

③ボール代(年 5〜10万円)

スクール以外で「自主練」や「練習試合」をするなら、ボールは自分たちで用意します。

  • テニスボールの寿命: 缶を開けた瞬間から空気が抜け、2〜3回使えば「飛ばない・跳ねない」状態になります。
  • 大量消費: 1缶800円のボールを毎回開け、古くなったボールはすぐに練習用に回す……という循環が必要です。

【試合・遠征費】レベルアップと比例して膨らむ費用

お子様が「試合に出たい!」と言い始めたら、ここが家計の最大の分岐点になります。
エントリー費の相場は、大会の「グレード」で変わってきます。

① 大会エントリー費(3,000円〜10,000円/1大会)

試合の規模や格付けによって、一回あたりの参加費は大きく異なります。

大会の種類1種目(シングルス)の相場特徴
地域のオープン大会(草トー)3,000円 〜 5,000円誰でも出られる。気軽な練習試合。
都道府県の公認大会6,000円 〜 8,000円ポイントがつく公式戦。予選・本戦がある。
全国大会・グレードの高い大会10,000円 〜 12,000円全日本ジュニアなど。運営体制が豪華。

全国など大きな大会になるにつれてエントリー費は高くなります。

② 選手登録料(年間 2,000円〜5,000円)

都道府県のテニス協会やJTA(日本テニス協会)に登録するための費用です。
選手登録が必要な理由として4つが挙げられます。

1.「公認大会」への出場権を得るため
2.「ランキングポイント」を獲得・管理するため
3.「公式な戦績」として一生残すため
4.競技環境の整備と「スポーツ安全保険」のため

③ 交通費・宿泊費(年間 10万円〜100万円以上)

ここが最も「青天井」な項目です。

  • 近隣の試合: 高速代とガソリン代。
  • 県外の遠征: 地方大会や全国大会に進むと、親子での新幹線代・ホテル代がかかります。
  • 例: 九州の選手が東京の全国大会へ行く場合、3泊4日で15万円以上かかることも珍しくありません。

ステージ別・年間総額シミュレーション

項目ステージ1(週1)ステージ2(選手)ステージ3(全国)
月謝12万円40万円60万円
用具・ガット3万円15万円40万円
試合・遠征費1万円30万円200万円〜
合計(概算)約16万円約85万円約300万円〜

親が知っておくべき「賢い節約術」

お金をかければ強くなるわけではありません。効率よく運用しましょう。

1.ガットは「ロール」で買う:通常1回分12mで買いますが、200mのロール(まとめ売り)を買うと、1回あたりの単価が半額近くなることがあります。
2.自宅でガットを張る(ホームストリンガー):選手レベルになり、週1回以上ガットが切れるなら、張り替え機(10万円〜)を自分で買って親が張ることで、工賃(1回1,500円〜2,500円)を節約できます。
3.公営コートをフル活用:スクールのレンタルコートは高いですが、市営のコートなら1時間数百円で借りられます。親子で練習するのが最強のコストカットです。


結論:テニスにかかる費用は「子供の情熱」への投資

ジュニアテニスは、確かに親の忍耐(金銭的・時間的)が必要です。しかし、その分、お子様が一人でコートに立ち、孤独に耐えながら戦略を練り、勝利を掴む経験は、他の何事にも代えがたい「生きる力」になります。

最初は「年間20万円以内」からスタートし、お子様のやる気に応じて少しずつ投資を増やしていくのが、親も子も無理なく続けられるコツです。

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